フリーランスのエンジニアに多いのが、業務委託契約です。不利な契約にならないように、作業を始めてからトラブルが生じないように、いくつかの注意点を押さえておきましょう。まず挙げられるのが、純粋な報酬と仕事に必要な資料代や交通費、通信費用といった経費が含まれるのかどうか、報酬について明確にしておくことです。また、報酬明細と業務委託契約をまとめ、両者が関連性のあるものとわかるようにしておきましょう。そうすることで、契約書には記載されていないからとクライアントの事情で報酬が変更されてしまうのを防げます。そして、業務範囲の線引きをしっかりと明記しておくことも重要です。常駐型の場合、取り決めた作業以外をついでに頼まれる可能性があります。契約書でどこまで自分が行うのかを決めておけば、契約外の作業は堂々と断れるでしょう。
万が一のケースについても明らかにしておくと安心できます。キャンセルや作業中の問題で不履行などのトラブルが生じた場合はどうするのか、損害賠償が必要な事態に陥った場合は誰がどれくらいの責任を負うのかなどです。さらに、作業上知り得た機密情報などの秘密保持契約を結ぶのかも明確にしておきましょう。なにかしらの法的問題に発展した場合に備えて、管轄の裁判所を契約書に記載しておくことをおすすめします。細かな法的な内容は難しいと思うかもしれませんが、トラブルがさらに大きくなることもあるので、きちんと理解した上で契約書を交わすべきです。